「お母さん、何で日本ばっかり台風が来るの?」
「なんで台風はいつも曲がるの?」
現在、接近している台風14号の進路予想図を見ながら、我が家の小学生の息子が聞いてきました。
今回の台風14号は上海近くの海域で急遽進行方向を変え、九州へ向かってきているようです。
言われてみたら、台風は突如として弧を描き、急激に進路を曲げて日本に上陸し、被害が生じるケースも少なくない気がします。
頻繁に台風が急カーブを描き、日本列島の方向へ向かって進んでくる印象をもたらす、あのコースの謎は何でしょう?
今回は3年前に双子のように急カーブを描いて関西地方に上陸した台風を例に、台風が曲がる理由を分かりやすく説明してみます。
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台風はなぜ曲がるの?
台風が日本ばかり来る(気がする)理由
日本を縦断する台風のコース。
これは8~9月の台風にはよくあるコースなのです。

©tenki.jp
台風はそもそも自分自身で動くことは出来ません。
周りの風に流されて動くのです。
秋の気圧配置と風の流れ

©https://imgcop.com/
台風を動かすもの
- 貿易風
- 偏西風
- 太平洋高気圧
台風はこの3要素 ↑ で動いていきます。
そしてその動きは、
- 南の海上で台風が発生
- 太平洋高気圧の周りには、淵に沿って時計回りの弱い風が吹いているため、その風に乗って台風が流されてくる
- 中国大陸と日本海あたりには北西から偏西風が吹いている
- 沖縄方面当たりで、その台風を流す風が偏西風へとバトンタッチする
- 偏西風と太平洋高気圧の時計回りの風と相まった風に乗って、勢いよく台風が日本列島上を北上し、駆け抜ける
超・ざっくり説明すると、このようになります。
冬や春先に日本付近に接近してくる台風はほとんどありません。
しかし夏になると台風が発生する緯度が高くなり、太平洋高気圧のまわりをまわって日本に向かって北上する台風が多くなります。
台風が日本本土に上陸するのは多くが7月から9月です。
7月や8月は太平洋高気圧の勢力が強く、また、台風を流す上空の風がまだ弱いために不安定な経路をとることが多いのですが、9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。
このため日本に大きな災害をもたらす台風の多くは9月にやって来るのです。
引用元:tenki.jp
『なんで台風はわざわざ急カーブを描いて曲がり、日本列島方向に進路変更するのか?』
それはこんな理由だったのです。
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台風14号と過去の台風の進路を比較してみた
台風14号(2021)の進路予想図
今回2021年9月に発生した台風14号の進路予想図は、中国の上海ちかくの海域で急に進路を変えそうです。

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台湾近郊で曲がったケース
直角進路変更する2018台風24号とその後を追う25号

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それが2017年に南海で進路を曲げ、日本列島を縦横断、日本に甚大な被害を及ぼした大型台風18号です。

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台風24号(2018)の進路予想図と、記録的大雨と暴風を記録した大型台風18号(2017)の経路。
今回の台風14号(2021)とも良く似ているきがします。
太平洋高気圧の位置と偏西風の流れの影響で、このように台風が急カーブを描いて曲がり、日本に上陸する典型的な進路がこれです。
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まとめ
今回、スーパー台風とも言われる台風14号。
小型台風であればあるほど中心の威力は強いといわれます。
近年は台風被害が大きいケースが目立ちますので、台風など、予め予報が出ている場合は、早め早めの避難と準備を心がけるようにしたいですね。