兄弟時代のキリンジ(KIRINJI)のアルバムで名盤といわれた『3』。
このアルバムは、数々のアーティストにカバーされる珠玉の名曲「エイリアンズ」が入っていることは勿論の他、短編小説が歌になったような「千年紀末に降る雪は」、兄弟の共作である「グッデイ・グッバイ」など、キリンジの非凡なる才能の塊のような名曲が詰まっています。
それだけでなく、兄・高樹さんがソロで歌う「メスとコスメ」や、幸せ感たっぷりのラブソング「君の胸に抱かれたい」、少ない言葉と壮大な音楽で危機迫る「サイレンの歌」など、バラエティーに富んでいることも名盤といわれる要素なのでしょう。
しかし、兄弟時代のキリンジはアルバム『3』だけが名盤ではないのです。
実はこの『3』は名盤でもありますが、ファンの間では入門編ともいわれています。
まだキリンジの世界を奥深く知らない人々へ、ここに筆者がおすすめしたい、(名盤『3』以外での)兄弟時代のキリンジのイチ押しアルバム3選を紹介させて頂きます。
それではいざ、キリンジワールドへ。
心地よい難曲が潜む アルバム『47’45”』
まず、最初に紹介するこちらのアルバムは、1990年に発売された、メジャーデビューから2枚目となるオリジナルアルバムです。
『47’45”』の収録曲
- Drive me creazy
- 耳をうずめて
- 唐変木のためのガイダンス
- 恋の祭典
- BBQパーティー
- 牡牛座ラプソディ
- くよくよするなよ
- 銀砂子のピンボール
- ダンボールの宮殿
- V.I.P
- 口実
(全11曲)
歌詞の内容に困惑させられる「Drive me creazy」
兄・高樹さんの作る曲が土台となってあり、そこに弟・泰行さんの無機質な歌声が上手く絡んでいるような印象を受ける楽曲が光っています。
そして弟・泰行さんの作る楽曲が、控えめながらアルバム全体のバランスを保ち、味を出しています。
意味深な歌詞と難しく構成された楽曲が特徴的であり、クセと毒を感じるアルバムです。
中でも、特に歌詞に毒気のある「Drive me creazy」。
車がゆっくりと走り出すような、心地よいイントロから始まる曲ですが、歌詞の内容はなんとひき逃げの歌 😯 。
歌の主人公は週末に恋人とドライブへ出かけます。
ですが、2度も人をはねてしまう事件を起こして逃げた後に、その目撃者となる恋人の首まで絞めてしまうという内容なのです。。
しかし、歌詞を読んで解釈していくのではなく、曲を聴きながらメロディーと共に歌詞をなぞっていくと、内容が変わってきます。
緩やかに加速するポップな楽曲に錯覚され、秘密を共有した恋人の仲が深まっていくように見えてくる、そのようなトリックがあるのです。
この曲のように、1つの歌詞から2つの意味を想像させるような楽曲が『47’45”』の代表曲といえるでしょう。
言葉をどう解釈しようか、どのような楽曲になるのか。
聴く側をたっぷりと考えさせてくれます。
アルバム『DODECAGON』
次に紹介するアルバムは、2006年に発売された、6枚目のオリジナルアルバムです。
『DODECAGON(ドデカゴン)』の収録曲
- Golden harvest
- 自棄っぱちオプティミスト
- 柳のように揺れるネクタイ
- アメリカン・クラッカー
- 鼻紙
- ロープウェイから今日は
- CHANT!!!!
- ロマンチック街道
- 愛しのルーティーン
- Lullaby
- Love is online
- ブルーバード
- 影の歌
(全13曲)
火の鳥・青い鳥、兄弟の火花散るアルバム
キリンジのデビューの時からプロデューサーであった冨田恵一さん。
彼のもとを離れ、セルフプロデュースとなって第一作目のアルバムになります。
「片方がいい曲を出してきたら、もう片方がさらにいい曲を出してくる」といった、兄弟の間でバチバチと火花を散らすカードの切り合いが行われている、そんな印象を受けます。
1曲目の兄・高樹さんの楽曲「Golden harvest」の歌詞に、深紅に燃える火の鳥が登場するのですが、12曲目の弟・泰行さんの楽曲「ブルーバード」には、タイトル通り青い鳥が登場します。
これは意図的なのか偶然なのか定かではありませんが、どちらにしても対照的な色をした鳥の存在は、アルバムにドラマ性をもたらしています。
タイトルの『DODECAGON(ドデカゴン)』とは、十二角形・十二辺形を意味します。
13曲目の「影の歌」はボーナストラックなので、その曲の他12曲は、まるで「ブルーバード」までのどの楽曲が欠けてもアルバムは成り立たない、という意味があるかのようです。
確かに、どの楽曲もシングル化されてもおかしくないようなクオリティであります。
エレクトロサウンドがコンパクト化されており、ストリングスが多様に使われているのが特徴的なアルバム。
キリンジとしては異質な作風ですが、名曲揃いの作品となっています。
夏を取り巻く空気感 アルバム『BOUYANCY』
次に紹介するこちらのアルバムは、2010年に発売された6枚目のオリジナルアルバムです。
『BOUYANCY』の収録曲
- 夏の光
- 温泉街のエトランジェ
- ホライゾン!ホライゾン!
- Rain
- セレーネのセレナーデ
- 台風一過
- 空飛ぶ深海魚
- 都市鉱山
- Round and Round
- 秘密
- アンモナイトの歌
- 小さなおとなたち
(全12曲)
筆者が最もおすすめしたいアルバム
キリンジのアルバムの中で、筆者が最もおすすめしたい1枚です!
「夏の光」で始まるこのアルバムは、夏休みの暑くて長くてダレてしまう空気感と、またそれとは逆にセミの寿命や台風の通過する速さのような、瞬間的であるも濃密な光の輝きが感じられます。
それだけでなく、どこか戦後の枯れた雰囲気から現代に漂う憂いまで、といった時代の流れが見られるような気がするのです。
素朴で静けさのあるジャケットに、夏というテーマが小さく納まっているかのようであります。
しかし、頭の「夏の光」から「小さなおとなたち」まで通して聴けば聴くほど、スケールの大きなアルバムへと変化していくようです。
そこが非常に面白いアルバムなのです。
1曲1曲を選んで聴くよりも、アルバムの頭からつま先まで流れで聴く方が楽しめるのではないでしょうか。
また「夏の光」では兄弟がユニゾンで歌っています。
それを聞く事が出来るところも、このアルバムをおすすめする理由の一つであります。
タイトルの『BOUYANCY』は浮力を意味します。
浮遊感のある心地よい楽曲がいくつかあり、とても綺麗です。
その浮遊感のある楽曲の中でも筆者の大好きな「空飛ぶ深海魚」は、歌い出しからメロディーラインが美しく隙がありません。
まとめ
というわけで、筆者のおすすめするアルバムの紹介と解説は以上になります。
いかがだったでしょうか?
この3枚は、それぞれのアルバムの持つ個性が違うので、どれを好きになるかによって自分の音楽の好みを再確認することも出来るでしょう。
年代順に紹介しているのでボーカルである弟・泰行さんの歌声の変化や、兄・高樹さんのコーラスの入り方などの変化が楽しめます。
しかしKIRINJIのアルバムは、紹介した3枚だけでなくどのアルバムも素晴らしいです。
さまざまなジャンルの音楽が細かく散りばめられていますが、しかしキリンジ色というものが、どのアルバムのどの楽曲にも見失われることなく確立されています。
他のアーティストと比べると少し難解な楽曲が多いですが、キャッチーさもあり耳に馴染みやすいと思います。
そして、ハマってしまったらキリンジ中毒のように、ヘビーローテーションで聞いてしまうことは間違いないでしょう。
名盤『3』にしても他のアルバムにしても、まだまだ未発掘なところがあるキリンジワールド。
あなたは楽曲やアルバムをどんな感性で解釈し、楽しむのでしょうか。
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